産婦人科 Q &A

1 生理が近づくと、いつもイライラし、家族とけんかになってしまいます。生理前の精神的な不安定さは治らないのでしょうか
2 最近何かと体調が優れません。特に肩凝りがひどく、痛くてたまりません。整体に行けばいいのでしょうか。生理はまだありますが、これは更年期障害と関係がありますか。
3 生理ではないのに出血することがよくあり、病気ではないかと不安です。
4 生理がくるたびに痛みがひどくなってくるようなのですが、何かの病気が原因ですか。
5 数年前から医師に内膜症といわれ痛み止めを飲んで放っておいたら毎回の月経がくるたびにつらくなりました。どうしたらよいでしょう。
6 最近とくに太ったわけではないのに下腹部がはった感じがします。何か病気でしょうか。
7 今年の春頃に閉経してから、ほてりや首の発汗があり気分が優れません。治療法とともに、日常生活で「更年期」とうまく付き合う方法を教えてください。

Q  生理が近づくと、いつもイライラし、家族とけんかになってしまいます。生理前の精神的な不安定さは治らないのでしょうか。
(26歳 女性)


A  いわゆる月経前の不快症状で「月経前緊張症」というものです。これには個人差があり、何の症状も出ない人もいます。
また、月経が近づくと顔や手足がむくんだり、乳房が張ったりする人もいます。質問の人とは反対に、憂うつになる人もいます。
こうした症状は月経の始まる1週間ほど前から見られ、月経が始まると自然に治ってしまいます。
ただ症状がつらい場合や、続いて起こる月経痛で生活に支障が出る場合は、病気が原因のこともあるの、婦人科に相談してみてください。


Q  最近何かと体調が優れません。特に肩凝りがひどく、痛くてたまりません。整体に行けばいいのでしょうか。生理はまだありますが、これは更年期障害と関係がありますか。(48歳 女性)

A  女性の体は、女性ホルモンとの関わりが強く、前述の月経前緊張症もホルモンの変化に伴って現れる症状です。更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が急激に減少することから、女性の体と心にいろいろな症状が起こります。この人の症状も更年期に起因しているかもしれません。ただ以前からよく肩凝りがあった場合は、別の原因も考えられます。また、更年期だからと放置せず婦人科で受診することをお勧めします。

Q  生理ではないのに出血することがよくあり、病気ではないかと不安です。(32歳 女性)

A  生理でもないのに下着に血液がつくなど、生理とは関係のない出血を不正出血といいます。
出血しているのは子宮とは限らず、外陰、膣、子宮頚部、卵巣、卵管などからの出血も考えられます。
質問の方も、生理以外の出血で心配しておられますが、不正出血を起こす原因で一番多いのはホルモン異常です。
これを機能性出血といいます。ホルモンのバランスが悪いため、生理のサイクルがうまくいかず起こるもので、これはホルモン剤で治療できます。整理が終わって1週間ぐらいたってから出血する場合は、 生理と生理の間に起こる排卵期出血と考えられます。
これは、排卵直後に卵胞ホルモンの分泌量がが低下するために起こるもので、すぐに治り心配の無いものです。ただし、出血量が生理のときのように多かったり 3日以上続くときには、婦人科を受診するほうがいいでしょう。

しかし、不正出血がなにかの病気のサインの場合もあります。
生理が終わったのに出血がある場合には要注意。
ほんの少しの出血が、初期の子宮頚ガンのサインだったと言うことも。
セックス後の出血は、接触出血の場合もありますが、子宮膣部びらん、子宮頚管ポリープ、膣炎のサインのこともあります。ですから、出血量の多少に関わらず婦人科医に相談して下さい。

Q  生理がくるたびに痛みがひどくなってくるようなのですが、何かの病気が原因ですか。(28歳 女性)

A  月経前後に伴う痛みには、月経前緊張症、月経困難症からくるものもありますが、本来月経はそれほど疼痛を伴わないものなので、痛みなら何か治療があると考えるべきです。日常生活を妨げるほどの痛さなら、その中に子宮内膜症が潜んでいる場合も考えられます。
子宮内膜症になると、プロスタグランディンという物質が普通の人より多く分泌され、この物質が
子宮収縮、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの症状を引き起こすといわれています。
症状が進むと、臓器同士が癒着して引っ張られて痛んだりすることもあります。

月経と、子宮内膜症との関連では、最新の特徴としては、月経周期が27日以下、月経期間が7日以上の女性は、そうでない人に比べ、子宮内膜症の確率が2倍以上になるというデータが挙がっています。
さらに、未婚や不妊女性に多く、出産回数とともにそのリスクが低下しています。
年齢的には30歳代前半の女性の受診率が最も高くなっています。
すぐに治療しなくても落ち着く人と、本格的治療が必要な人がいますが、いずれも症状に合わせた薬が効果を発揮。痛みは和らぎ、楽に過ごせます。
また、経口避妊薬の使用は、子宮内膜症のリスクを抑えるという報告もあり。
痛みを我慢せず、まずは婦人科医に相談を。

Q  数年前から医師に内膜症といわれ痛み止めを飲んで放っておいたら毎回の月経がくるたびにつらくなりました。どうしたらよいでしょう。(30歳 女性)


A  子宮内膜症とは子宮の内膜組織が本来のあるべき所ではない子宮内膜以外の場所で発育、増殖して月経痛や性交痛を引き起こすもので、増悪には卵胞ホルモンが深く影響しているといわれます。
子宮内膜症の中には卵巣の中で内膜の増殖と出血が繰り返されチョコレートのような血液がたまる嚢腫もあり、ある程度大きくなるまでは本人もまったく気が付かないこともあります。また子宮内膜の組織が子宮筋層内に入り込んでしまって、月経のたびごとに子宮自体が大きくなり子宮筋腫との区別も難しい場合があります。
初期のうちは特に症状はありませんが病変が進行するにつれて月経痛という形で病状が出てきます。子宮内膜症がひどくなると周囲の臓器や組織と癒着を起こすこともあり月経以外のときも腹痛、腰痛、頻尿、むくみが現れることもあります。さらに月経前後に不眠、肩こり、疲労、憂鬱感などを訴えることもあります。
治療は一般的に内服薬、点鼻薬、皮下注射などがあり、どうしても薬だけでは治らない病状に対しては手術をして病巣部を取り除く場合もあります。
 症状の軽いものでは様子を見ることもありますが、実際の治療に際しては年齢、内膜症の部位、広がりなどの程度によって差異があります。
定期的な検診で早期発見に心がけ今後どうするかは医師と相談されるとよいでしょう。

Q  最近とくに太ったわけではないのに下腹部がはった感じがします。何か病気でしょうか。(36歳 女性)

A  下腹部がはった感じは便秘や腸のガスがたまった時もそのように感じることがあります。また、痛みを伴う場合は子宮、卵管、卵巣などの内性器の疾病のほか、腸、尿管、膀胱など婦人科以外の病気の可能性もあります。
ただおりものの異常や不正出血を伴う場合は婦人科への受診が適切です。また、月経が遅れていた、月経がないなどの異常があって下腹部の痛みが現れたようなときは、気付かないうちに妊娠をしていて、流産、子宮外妊娠などの可能性があります。
婦人科の病気以外の下腹部痛の特徴は、膀胱炎の場合は、排尿時の痛みや残尿感、頻尿を伴います。また尿管結石の場合は下腹部から腰部にかけてかなり激しく痛み、血尿を伴うことがあります。虫垂炎の場合は右側の下腹部痛に、発熱や吐き気を伴うことがあります。
下腹部を触るとしこりがある、あるいは特に太ったわけではないのに下腹がふくらんできた場合は、子宮筋腫や卵巣腫瘍の可能性も考えられます。子宮筋腫の場合、下腹部の症状以外に、月経のとき出血量が増えた、月経痛がひどくなったなどの症状を伴うことが多いようです。卵巣腫瘍の場合は腫瘍がかなり大きくなるまではこれといった症状はありません。卵巣腫瘍の多くは良性の卵巣嚢腫ですが中には悪性のこともありますので注意が必要です。
下腹部のはりに不安を感じ、特に痛みを伴う方はお早めに専門医に相談することをおすすめします。

Q  今年の春頃に閉経してから、ほてりや首の発汗があり気分が優れません。治療法とともに、日常生活で「更年期」とうまく付き合う方法を教えてください。(52歳 女性)

A  更年期障害は卵巣機能の低下に伴って視床下部から卵巣を刺激するホルモンが過剰に分泌されるために起こりますが、そこに精神的な不安が加わると「心の揺れ」が出現します。
「心の揺れ」は誰にでもあるものですが、病的になると更年期うつ病と言われ夜眠れない、一日中ぼんやりしている。人と会いたくない。気がめいる、夕食の献立を考えると頭が痛い。朝布団から出るのがつらいなど、毎日の生活に現れます。動悸や発汗などのほかに不安神経症、疾病恐怖症、確認過多症候群、ヒステリーなどもよく見かけます。
感情の動きにうまく適応出来なくなると「心の揺れ」にも拍車がかかるので、心身の不調の原因をまず自分自身で理解しこの時期を上手に乗り切る工夫が大切です。
家事、仕事、休憩、睡眠、食事、一日のスケジュールを立てて生活にリズムを持たせたり、軽いスポーツや趣味など何か熱中できるものがあればストレス解消に役立ちます。
更年期障害の治療法にはホルモン療法、漢方薬や精神安定などを使う薬物療法、心理療法、ハリや灸などがあります。診療は婦人科で子宮がんの検診やホルモンのチェックをすることからはじめ治療は医師と相談して納得のいく方法を選ぶことです。
日常生活に前向きな気持ちを持つなど本人の努力も大切ですが、ひたすらに我慢しているうちに更年期障害ではなく重大な病気の発見が遅れたというケースもありますので、つらい場合は医師に相談することをお勧めします。